Youtubeのtanuki yamano氏のチャンネルにて『雪の中を不器用にとぼとぼ歩いてるタヌキ(Tanuki walks in an unfamiliar snowfield.)』が公開され、雪の中をあるくタヌキを映しただけなのに、可愛くてたまりません。
tanuki yamano氏は前からこのタヌキを飼っていて、愛情タップリに育てているようでタヌキがなついているのが他の動画を見ても伝わってきます。
かわいいタヌキの魅力は日本だけでなく海外にも浸透しはじめていて、今回はそんなタヌキについて紹介したいと思います。
The Weather Channelで過去に公開された動画では、かなり多くの人に動画が再生されて、タヌキの虜になった外国人の方が多くいたみたいです。
タヌキについて
体長は約40cm~60cm程と小型犬~中型犬程度の大きさ。雑食性かつ夜行性の生き物で、性格は臆病です。ピンチになると寝たふり(死んだふり)をすることから狸寝入りと言う言葉が生まれました。ですがそんなタヌキも泳ぎが得意で木登りも出来るという、割と地上なら何でもござれな一面もあります。
哺乳綱食肉目イヌ科タヌキ属に分類される食肉類の動物であり、海外ではRaccoon dog(アライグマ犬?)という呼び名で知られていて、タヌキは元々極東地区(日本、朝鮮、中国、ロシア東部)にしか生息していなかった生物です。1928年に毛皮目的でソ連に移入されたビンエツタヌキが野生化しヨーロッパまで生息域を拡大するまでになりました。
実は東京などの都心部にも出没する生息域が広い生き物でもありますが、都心でみたと言っても信じてくれないケースも多いです(笑)※日本に生息するのはニホンタヌキ(エゾタヌキ、ホンドタヌキ)という日本にしか居ないタヌキです。
しかし、海外では大変珍しい生き物らしく、タヌキと言う生き物をそもそも認識すらしていないことも珍しくないようです。また、2015年には帯広畜産大の研究チームから中国大陸に存在するタヌキは日本のタヌキに比べると頭蓋骨の大きさが違うため同一種ではないという発表がでたこともあり、やはり日本固有種だから見てもピンと来ないというのもありそうです。
タヌキと似ているアライグマなどの動物
よくタヌキと混同されるアライグマやハクビシン、アナグマといった動物ですが、よく見るとその姿にはそれぞれ特徴があります。タヌキのような見た目で尻尾に縞々が入っていれば高確率でアライグマであったり、顔はタヌキっぽいが耳が白く、模様が縦の場合はアナグマであったりと、特徴を掴めば容易に見極めることができます。
狸寝入りって本当にするの?
本当は寝ていないのに寝たふりをすることを狸寝入りといいますが、そもそも本当にタヌキは寝たふりをするのか?と疑問に思いますよね。結論から言ってしまえばタヌキは狸寝入りをします。
どういった状況で狸寝入りをするのかですが、タヌキは非常に臆病な生き物ということもあり、何かで驚くと死んだふり(寝る)をして身を守ろうとする習性があるのです。厳密に言えば寝ているのではなく気絶状態(失神)になるんですが…。もちろんただの気絶じゃ絶好の餌になってしまうので、脳は最低限は起きていて、いつでも目を覚ませるようにはなっています。
タヌキは猟師に鉄砲を「パンッ!」と撃たれると当たっていなくても、びっくりしてパタりと気絶して死んだふりをします。猟師がタヌキを仕留めたと思い、近寄って持ち帰ろうとしたところで目を覚まして隙かさず逃げ出すのです。昔はよくこうやって猟師が騙されてタヌキを仕留め損なうことがあったようです。
実際に気絶しているタヌキの様子は難しいので、寝ているタヌキを仲間が怪訝に思い集まって起こしてしまうかわいいツイートを掲載しておきますね(笑)
※タヌキを外で見かけてもふざけて驚かすのは絶対にやめてください。稀にそのまま気絶して亡くなるタヌキがいます。
数多く残るタヌキの伝説
日本では民話や伝説に狐や狸が度々登場し、日本全土でお稲荷さんなどのキツネ信仰が今でも数多く残っています。しかし、四国では狐よりも狸のほうが多くの伝説に残っており、その数がとにかくすごいです。
阿波狸合戦、太三郎狸 、 喜左衛門狸の伝説、 軍隊狸伝説、松山騒動八百八狸物語などの多くの伝説(物語)があり、松山騒動八百八狸物語に出てくる「隠神刑部」と呼ばれる狸の総領は、ゲゲゲの鬼太郎や平成狸合戦ぽんぽこなどにも登場します。アニメや漫画なんかに出てくるタヌキの名前はこれらの伝説のタヌキの名前にあやかることが少なくないようです。実際に四国を旅行すると多くの神社で狸を信仰していて、本土との違いに驚くかもしれませんね。
縁起物としてのタヌキ
縁起物としてお店などに置かれることのある信楽焼の狸の焼き物を人生で一度は見たことがあるかと思います。何となく見かけますが、意味を理解している人はあまり多くは居ないんじゃないでしょうか?
信楽焼の狸の焼き物と言えばどこか憎めないような愛らしい姿をしていますよね。実はこの容姿にも意味が込められています。「八相縁起」と呼ばれ、特徴的な8箇所がそれぞれ縁起物としての効果があるのです。
狸が縁起物として取り扱われるのもいくつか説があるのですが、一説によれば、タヌキの毛皮の上で金を伸ばすとよく伸びることから、金がよく伸びる、金が広がるといったことで、金玉とかけて縁起物として巨大な玉袋になった説があります。
他にもタヌキ=他を抜くと言う言葉遊びから商売繁盛を連想させ、縁起がいいとも言われています。
2016年に海外で人気が出たタヌキ
海外でもジワジワと知名度が増加してきたタヌキ。実は知名度が上がる理由がありました。バズフィード・アニマルというサイトで「アライグマ犬と呼ばれる動物を日本人男性が飼っている~ラクーンドッグ「タヌ」と恋に落ちる準備はできた?~」というようなタイトルで紹介されたことに起因します。
ツイッターアカウント「@chibi_tori」さんの写真がHPに掲載されたことにより、世界中の目に触れて、かわいいタヌキにメロメロのコメントで溢れかえりました。なんとそこからCNN TravelやYahoo Newsの記事にもなり、爆発的に人々に認知されるようになったのです。正直日本人である私達からみると、タヌキがそんなに話題になるの!?と驚いてしまいますよね(笑)
写真元でもある「@chibi_tori」さんは現在もたくさんのタヌキ画像をアップしているため、興味のある方はフォローしてみてはいかがでしょうか?日本人でもタヌキの可愛さに気づいてない方はかなり多いかと思いますが、本記事で少しでも興味を持っていただければ幸いです。
タヌキは飼育できるのか
結論から言えば限られた一部の環境で可能ではあります。それというのも、タヌキは「鳥獣の保護と狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」の対象動物なため、捕獲や殺傷、餌付けが禁じられています。そのため、ペットショップなどで入手できない動物だからです。
タヌキの飼育条件
タヌキができる唯一の方法は、狩猟期間でケガや病気のタヌキを保護し、お住まいの自治体に「生涯飼育許可申請」をして許可が降りた場合のみになります。例え保護したとしても必ずしも許可が降りるわけではないので確実な方法はありません。何よりも弱っているタヌキに出会うのは運ですので難しいでしょう。何よりもタヌキが好きな場合は弱っているタヌキが居ないことを祈りましょう。
人と暮らすのが難しいタヌキの性格
タヌキの飼育で一番問題になるのは、野生動物がもつ警戒心の強さと臆病な性格にあります。幼いタヌキを保護して人間に慣れていたとしても一度でも敵と認識するとタヌキが再びなつくことはありません。なので犬や猫の様な「しつけ」は性格の関係で出来ないと考える必要があります。また、タヌキは音にもかなり敏感なので静かな環境を用意する必要もあり、飼い主が気をつける事項も多いため難易度はかなり高いと言えます。
諦めるには早い?
飼育が気軽に出来ないと述べましたが、世の中には驚くべき環境というのもあります。一例として紹介させていいただくのが、Youtubeに上げられている東京都世田谷区にある公園の犬の散歩会で、タヌキと銀狐を散歩する人の姿を確認できます。個体や育った環境によっては、犬の様に飼うこともできるのかもしれません…。ただ、他の個体でも必ずこの様に育つわけではないと言うことはご承知ください。