感想

4DX版『X-MEN: ダークフェニックス』感想 ※ネタバレ注意

 6月21日に公開されたX-MENシリーズの7作目にあたる映画『X-MEN: ダークフェニックス』を公開日に4DXで観賞してきました。アベンジャーズ/エンドゲームで最高の盛り上がりを見せたMCUに続き、X-MENもクライマックスで何処まで盛り上がるのか期待しつつ映画を見てきたのでその感想になります。

※映画『X-MEN: ダークフェニックス』の概要は上記で確認ください

4DXについて

 4DX映画は上映されている映画館も限られているため、どういったもか知らない方もいると思いますので簡単に説明すると、2Dや3D映像に五感を刺激する動きを追加したものが4DXと呼ばれ、座席が動く、水しぶき、風、香り、雨、ミスト、バブル、煙、閃光、嵐、雪、熱風、エアーなど全13種類効果が映画と連動し発生します。映像と4DX効果が合わさることで、より深い映像体験を可能にした上映方式です。※4DXは2Dと3Dの二種類の方式があるので鑑賞する際は確認しましょう。

※4DXのよくある質問等は上記の記事にまとめてあります。

4DX『X-MEN: ダークフェニックス』でミュータントの戦いを肌で感じる

 X-MENと言えばミュータントと呼ばれる特殊能力を持った人たちのバトルが最大の魅力ですが、4DXでは、戦いのシーンに合わせた演出が所々にあるので大迫力で映画を楽しむことができました。

 物語の序盤では、X-MENが宇宙飛行士達を助けるためにジェット機で宇宙に救援に行くのですが、そのときの飛行機の推進力を座席の動きが動くことによって追体験させてくれました。他にもジーンが太陽フレア(宇宙エネルギー)を浴びる際も座席の動きや熱で臨場感マシマシで今後の戦闘シーンへの期待をいい感じに煽ってくれます。

 中盤では、ミスティークがジーンに殺されたことにより、復讐派のマグニートたちVS穏健派のプロフェッサーたちとのバトルが町中で勃発します。一般人がいるにもかかわらず能力を使い大暴れするミュータントのパワーを座席の動き、衝撃、風などの4DX効果で迫力満点で楽しめます。

 終盤では、本作一番の戦闘シーンである列車での戦い、X-MENとマグニートチームがジーンを守るために狭い空間でそれぞれの能力を活かした戦いを繰り広げます。ビーストが敵を殴ったり叩きつける衝撃、ストームの雷と風、サイクロプスのビームの熱と衝撃、マグニートーの圧倒的なマグネットパワーを体感させる座席、ナイトクローラーによるトリッキーなアクションなどそれぞれの能力が4DXではより鮮烈に強調されていたのでより楽しめました。

 4DXはアクションやミュージカル(音楽系)との相性がすごく良いので、X-MENの様なアクション物を見るなら特にオススメです!

 また、マグニート役のマイケル・ファスベンダーたちから4DXの列車での戦闘シーンをオススメする動画もあり、私個人としても列車での戦いは見せ場も迫力もあり一見の価値ありだと思います。

『X-MEN: ダークフェニックス』批評

 海外の映画批評家たちからは評判があまり良くなかった本作でしたが、気になる点はいくつかあるものの星3.5~3.7ぐらいの面白さだったと思います。シナリオの分かりやすさ、ミュータントの能力バトルをコンパクトなフィールドの中で魅力的に表現出来ているところなどいい点も一杯ある作品だと思います。

シナリオは分かりやすくシンプル

 従来のX-MENは人種差別や政治的な話がメインテーマになっていて、それらがシナリオに深みを与えるのではなく、むしろ複雑にしてしまってまとめきれていませんでしたが、本作ではジーンにフォーカスを当て、掘り下げているため話が分かりやすくなっていました。

 内容としては、ジーンは幼少期に能力を暴走させて母親を殺し、父親を瀕死にしてしまったことをきっかけにチャールズが引取って育てたわけですが、精神を安定させるためにジーンの記憶を封じて嘘をついて心の安定を図ったチャールズの行動が宇宙ミッションでの事故をきっかけに裏目に出てしまい暴走して惨事を引き起こしてしまったので、X-MENがジーンを救うため奔走すると言うシンプルなストーリーです。

 一方で、この良かった点がデメリットにもなってしまっているのが残念な点でもあります。これは事前にX-MEN最終作と宣伝したことやMCUが盛り上がり過ぎてしまったことによる弊害だとは思いますが、シリーズのシナリオの積み立ての甘さや、内輪感が強すぎるため壮大な物語や広い舞台でのX-MENの活躍を期待していた人達には窮屈に感じられるかもしれません。

過去作を見ていると嬉しい演出

 作中でレイブン(ミスティーク)が死にダイニングでハンクが悲しみに暮れているシーン、チャールズがここでレイブンと初めて出会ったと『X-MEN ファーストジェネレーション』での出会いについて語るシーン。

 エピローグでは引退したチャールズとエリックが何処かの街のカフェで穏やかにチェスをするシーンがありました。過去作では何回かチェスをして腹の探り合いをしていましたが、その頃に比べると平穏で本当の友人として過ごしている光景は追いかけてきたファンには嬉しい演出ですね。

ファンにはがっかりな点も?

 クイックシルバーのファンの方には色々残念だった作品になってしまった本作。宇宙ミッションとジーン暴走のタイミング以外で見せ場が無いというまさかの事態に。

 暴走を止める際も交通事故にあったかのような吹っ飛び方(本人が早すぎるためしょうがない)で無残にやられてしまいましたが、ある意味では能力発動時よりも見せ場でした。

 前作で伏線が張られていたので、マグニートから実の息子だと伝えられるのかと思いきや別にそんなこともなかったと上に絡みも無いというのはかなりがっかりしてしまいました…

まだ活躍が見たいX-MEN

 本作では終始見どころのあるバトルを見せてくれたナイトクローラーが一番のお気に入りでした。テレポート時の煙になるような演出や本人の尻尾で相手を倒したりとトリッキーな場面が多く魅力的な戦闘が多いので画面映えしていました。

 マグニートは仲間が殺されて、怒りを込めて手を握りしめるモーションと共に敵ごと車両を潰すシーンはカッコ良さと仲間(ミュータント)思いなマグニートの良さが出ていて最高でした。

 彼らの活躍がまだまだ見たり無いですが、ディズニーに20世紀フォックスが買収されたことによって続編などの計画は白紙になってしまいましたが、MCUでX-MENが登場するという噂はあるのでそちらに期待しましょう。(役者は別の人になってしまうでしょうが…)