感想

4DX版『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』感想 ※ネタバレ注意

 6月28日に公開されたMCUフェイズ3最終作品にあたる映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を公開日に4DXで観賞してきました。アベンジャーズ/エンドゲームのエピローグに当たるとも言われる注目の一作。ネタバレが無いほうが楽しめるとは思いますが、構わないと言う方だけ感想をお読みください。

※映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の概要は上記で確認ください

4DXについて

 4DX映画は上映されている映画館も限られているため、どういったもか知らない方もいると思いますので簡単に説明すると、2Dや3D映像に五感を刺激する動きを追加したものが4DXと呼ばれ、座席が動く、水しぶき、風、香り、雨、ミスト、バブル、煙、閃光、嵐、雪、熱風、エアーなど全13種類効果が映画と連動し発生します。映像と4DX効果が合わさることで、より深い映像体験を可能にした上映方式です。※4DXは2Dと3Dの二種類の方式があるので鑑賞する際は確認しましょう。

※4DXのよくある質問等は上記の記事にまとめてあります。

4DX『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は水と座席モーションの演出が素晴らしい

 スパイダーマンのウェブスイングと言えば、座席モーションとの相性が抜群だとスパイダーバースで体験済み。それに加えて、今作はエレメンタルズと言う自然の4元素の能力を使うクリーチャーやミステリオと言った演出の派手なキャラクターが出ると予告トレーラーで公表されていたため、4DXで見たいという気持ちがあり観賞しました。

 本作は最初の戦闘から4DXの演出に驚かされました。ピーターがヴェネチアで観光をしていると、水を操るハイドロンが登場し町中で暴れ始めるのですが、登場時に水の中から勢いよく飛び出すと劇場内でもリアルな水しぶきが舞い、ピーターがハイドロンのパンチを受けると同じように水を受け臨場感マシマシ。もちろん水だけではなく座席が動いて衝撃や空中でのスイング移動をバッチリ体験させてくれます。

 炎を操るVSヘルファイアでは燃え盛る炎の暑さを4DXでは首元のヒーターで再現し、追い詰められていくピーターとミステリオのギリギリの戦いを肌で感じることが出来ます。

 中盤の終わり際、ドイツの廃墟を舞台にしたVSミステリオのシーンでは幻影を使ったミステリオのえげつない精神攻撃を座席のモーションや衝撃によってピーターと一緒に味わう事ができます。あのハイセンスな幻影による何が真実なのか分からなくなる攻撃は4DXならではの迫力でした。

 終盤のイギリスのロンドン橋でのミステリオとの戦いはスパイダーマンの特長であるウェブスイングで魅せるアクションシーンが盛りだくさん。特に4DXは乗り物や空中での動きを座席のモーションで再現することに秀でているので最高の一言に尽きる。

 クライマックスのロンドン橋の上方にある通路でのミステリオとの一騎打ちでは、再度ピーターに向けて幻影を見せ攻撃してきますが、復活したスパイダーセンスで狭い通路を目まぐるしく動き回り見事にミステリオを倒します。途中でスパイダーマンが通路の中を回転するように動くシーンがありましたが、4DXの座席の動きで見事に再現し体験させてくれたのは素直に驚きの演出でした。

 4DX映画の最高傑作は「アクアマン」だと思ってましたが、今作は見事に上回る素晴らしい出来でした。4DXで映画を見たことない人にも自信を持っておすすめできる作品だったと思います。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』批評

 エンドゲームの後ということもあり期待値がとても高かった今作でしたが、シナリオ・アクションどちらも完成度が非常に高くエンタメとしてかなりレベルの高い作品になっていました。

シナリオはあくまでスパイダーマンとして面白い!

 シナリオは、アイアンマンが居ない世界で後継者として期待されるピーターの心の葛藤や、ヒーローだけではなく普通の生活も人並みに楽しみたい思春期なピーターをベースに描かれ、コミカルかつシリアスで面白いです。

 アクションシーンやキャラクター性が好きな私としては、なんと言っても一番良かったのはミステリオの役回りだったと思います。原作のスパイダーマンを知っていると、今作は良くぞここまでミステリオを魅力的かつかっこよく描けたなと思います(笑)

 事前に話題になっていたミステリオが敵か味方という問題。これに関しては原作ファンの期待を裏切らい見事な立ち回り。ジェイク・ジレンホールが演じるミステリオはかっこよさも相まって、本当に仲間にならないかなと思わさせてくれました。MCUならではの絶妙な設定と調整でバランスが良くて魅力的でした。

 そして単独作品の続編としても他作品、エンドゲームやアイアンマンシリーズに影響は受けているものの最低限で、あくまでスパイダーマンとしての面白さが強いのも良かったと思います。

 とは言ったもののトニーから全てを託すと書かれたメモを渡されたりMCUならではの演出も随所で光っていました。フェイズ3の終わりと言う印象よりも、新たな幕開けという印象で話が終わるのも本作の素晴らしさだと思います。

アクションシーンはエンドゲーム超え

 ヴェネチアの特長である水を最大限に活かして暴れまわるハイドロン、プラハの広場でスパイダーマンを圧倒するヘルファイア。どちらもスパイダーマンじゃ勝てないと思わせるほど能力を生かして派手に暴れ回っていました。

 特に素晴らしく惹きつけられるのはスパイダーマンVSミステリオの一戦目。ドイツでスパイダーマンに幻影を見せ翻弄するシーンは軽いホラー映画の域。一体何が真実なの?と視聴者も騙される完璧な演出は必見です。これはぜひ劇場で見てほしいと心の底から思います。

 これぞスパイダーマンといえるアクションはロンドン橋で大量のドローンの攻撃をウェブスイングで避けながら破壊していくシーンはカメラワーク、演出どちらも完璧で大興奮します。特に橋の通路でのミステリオとの最終決戦では、一度は負けた幻影にスパイダーセンス全快で立ち向かい目まぐるしいアクションの連続で切り抜けて突破するシーンはピーターがヒーローになる覚悟が済んだことが伝わるシーンでした。

 アクションの魅せ方はエンドゲームを完全に超えているので是非劇場で確認して見てください!

エンドクレジットの内容

クレジット後

 スパイダーマンがニューヨークに戻り恋人になったMJを抱えて街をウェブスイング、町中におろして予定があると去ろうとするとビルに設置されている巨大スクリーンに臨時ニュースが入る。

 ジェイ・ジョナ・ジェイムソンが登場し、ロンドン事件の真実がリークされたとミステリオ最後の映像(偽物)流し、スパイダーマンが事件の黒幕だと世界中に発信する。

 最後にスパイダーマンの中身はピーター・パーカーだと世界中に暴露して、ピーターが大慌てで終了。

スタッフロール後

 ニック・フューリーとマリア・ヒルが車で街を移動中の様子が描かれ、スパイダーマンにトニーの形見を渡したのは思い出すと涙が出そうだ、今回のホログラムには完全に騙されたと雑談をして二人の姿スクラル星人に。

 実は映画『キャプテン・マーベル』に登場し、フューリーたちに助けられたスクラル星人のタロスとその妻が変身した姿だったことが判明。

 二人はスパイダーマンの真実が世界中にリークされたことを本物のフューリーに、私達では手に負えないので戻ってきてほしいと連絡を取る。

 フューリーの姿が映し出され、南国でバカンスを楽しんでいるのかと思いきや、実は宇宙にある基地で映像で雰囲気だけを楽しんでいる様子。

 全員に休憩は終わりだ!とつげ、宇宙基地が映し出され終了する。