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人類で最初に月面に降り立った男、宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いた「ファーストマン」2月8日に公開!

 アカデミー賞を席巻した「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督と主演ライアン・ゴズリングが再びタッグを組み、人類初の月面着陸の偉業をなした宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描く「ファースト・マン」が2019年2月8日(金)より公開される。

宇宙飛行士「ニール・アームストロング」ってどんな人?

1930年8月5日にオハイオ州で生まれたニール・アームストロングはパデュー大学に進学し、当時の奨学金制度で2年間大学→3年間海軍→2年間大学という特殊な学生時代を送る。そのときの3年間で海軍パイロットとして朝鮮戦争に従事し、大学に戻り卒業後は国家航空宇宙諮問委員会 (NACA)のテストパイロットを務める。

 1962年に宇宙飛行士に選抜され1966年のジェミニ8号ミッションでは初の軌道上ドッキングに成功。1969年のアポロ11号ミッションで月に向かい、人類史上はじめての月面着陸を果たす。その時の様子は生中継され、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが, 人類にとっては大きな飛躍である」という歴史的名言を残した。

 アームストロングは地球に帰還後、人類史に残る快挙を残した男として多くの名声を得る。 その後もNASA等で働いていたが続かず、宇宙空間にいた弊害と大きな名声によるストレスにより、アルコール中毒や鬱状態に陥るなど精神の安定を失うことになる。それらのことが積み重なり妻と離婚することになった。

 名声に対処できず隠居生活を送るアームストロングはシンシナティ大学で航空工学の大学教師を務めたのち、オハイオ州レバノンの農場で静かに生活をおくる。

ニール・アームストロング
Wikiより

偉業の影にある多くの苦悩を描く

 本作では華々しい偉業を成し遂げたニール・アームストロングの物語だが、決して明るく爽やかな映画ではない。どちらかと言えば偉業の裏で起きた様々な不幸や、ニールが男として父親としての家族に対する苦悩や葛藤を描いた作品だからだ。

 様々な犠牲の一つとしては、月に行くために訓練を行った際に、月面陸船による着陸訓練では死者がでる犠牲が生じた。ニール・アームストロング自身も訓練に参加しており、自身の行った訓練でも機体トラブルにより命からがら脱出に成功する。月を目指すことが如何に無謀であったかを感じることのできる作品になっている。

主演俳優は数々の賞を受賞したライアン・ゴズリング

 アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) や二度目のオスカーノミネートを受けるなど多くの実績をもつ。最近では「ブレードランナー2049」で主演としてハリソン・フォードと共演している。そんなライアン・ゴズリングがニール・アームストロングを演じる。

 ライアン・ゴズリングは映画の撮影の際に原作となる伝記「ファーストマン: ニール・アームストロングの人生」を読むのは勿論のこと、宇宙飛行士の役に入り込むため、実際に宇宙飛行士のトレーニングを経験し、アームストロングを知る人々に直接会い話を聞くなどして人物像を掴み、本格的に取り組んでいるようだ。

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アカデミー賞監督デイミアン・チャゼル

 第87回アカデミー賞で5部門にノミネートされた「セッション」と第70回英国アカデミー賞では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞するほどの実績を持つデイミアン・チャゼル監督。本作に挑んだ理由もラ・ラ・ランドのときと同様に、前に制作した映画の正反対の作品を作りたいと言う思いからとザ・ガーディアン紙のインタビューで語っている。

 個人的な見解としては一見ジャンルが違うチャゼル監督の3作品だが、共通しているテーマは夢に挑むという点ではないだろうか。チャゼル監督は夢に向かう人の精神面の描写や、感情の表現を見せるのが上手く、映画を視聴している人々を共感させる映画作りができる監督だ。今作は伝記物ということも有り、ニール・アームストロングについて多くのリサーチや経験を経て映画の制作に取り組んでいるので期待がもてる。

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宇宙兄弟とコラボ!?

 日本で宇宙と言えば…小山宙哉氏の宇宙飛行士をテーマにした大人気漫画「宇宙兄弟」だ。今回は宇宙飛行士をテーマにした映画ということも有り、コラボCMが公式より公開されている。是非一度ご確認を!