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『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 Ⅱ.lost butterfly』絶賛公開中!

 全3部作で編成され、前作1部「Fate/stay night [Heaven’s Feel]Ⅰ.presage flower」の続編にあたる「Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅱ.lost butterfly」が2019年1月12日から公開中!本作はオタク界隈で圧倒的な人気を誇るFate/stay nightのヒロイン、間桐桜を主役にした作品となっており、シナリオは妖艶でダークな雰囲気が強く、ホラーに感じるほどだ。また、映像化されたのは初となっており、主人公である衛宮士郎が桜のためどの様な道を選ぶのかが見所だ。

桜の心の深層に迫る物語

 桜は間桐家では人としてまともに扱われておらず、間桐臓硯からは悍ましい魔術の修行を受けさせられ、義兄である間桐慎二からは強い虐待を受けている。2部ではより生々しく具体的に内容が描かれており、その影響で桜は自分を穢れた存在として考え、士郎と両思いになり結ばれてからでも、本当の自分を知られるのが怖いという思いから強く歪み変貌していくことに…

士郎の生きる目的の変化

 Fate/stay night の他2作品を見た方はご存知かと思いますが、衛宮士郎は養父である衛宮切嗣から受けた影響により「正義の味方」になることを夢に見ている。自分にできる範囲なら全ての人間を助けたいと本気で願い、そのためなら自分を犠牲にしても良いという考えをもち、一種の人格破綻者の領域に達している。そんな士郎だが本作Heaven's Feel 2章では、苦悩や葛藤の末に遂に新しい道を見つけることになる。 トレーラーで台詞が出ているので記述してしまうが、 「桜だけの味方」になることを選ぶのだ。2章ではあの士郎が信念を変えるほどの桜への強い思いに注目。

間桐慎二が抱く感情

 本作は桜と士郎が主役ではあるが、そんな二人に負けない魅力を放つのがFateシリーズの憎まれ役である間桐慎二の存在。慎二は桜が間桐家に養子として来たときには自分の居場所が無くなることを恐れ嫌っていたが、そうではないと気づくと虐めてはいたが、哀れみを感じて優しくしていたようだ。しかし、本作の3年前に桜が魔術教育を臓硯より受けていることを知り、桜こそが間桐の後継者であることに気付いてしまった。自分が間桐家にとって必要の無い人間だということを察して強い劣等感を感じ歪んでいく…。映画では慎二が抱く桜への劣等感や、自分の歩むことができなかった魔導の道を進む遠坂凛や衛宮士郎に対する複雑な彼の心境を感じることができる。

桜と凛の関係

 遠坂家と間桐家の協定により養子に出された桜に干渉することができず、他人として生きてきた凛が聖杯戦争を通して遂に桜と関わることになる。凛は今でも桜を大切な妹として考えてはいるが、魔術師としての側面が強いこともあり、もしも危険な存在であれば容赦はしないという考えをもっている。そんな彼女が本作でも士郎と深く関わっていくのだが、それをみた桜が心を揺さぶられ姉妹の関係も変化していく。

謎の黒い影

 1章でホラー映画の様に現れたり、脱落したサーヴァントやセイバーを捕縛したり、聖杯戦争の裏で暗躍する奇妙な黒い影。その目的や存在理由などは謎に包まれていたが、本作ではストーリー進行に合わせ、まるで答え合わせのような感覚で明らかになっていく。

圧倒的なスケールで描かれる戦闘

 ufotable作のアニメ版Fate/stay night[Unlimited Blade Works]でも戦闘描写はアニメ界でも随一のものであったが、本作は更に上を行く描写を見せてくれる。セイバーオルタとバーサーカーの戦いは正直な話、映像美を兼ね揃えた描写としては、誇張表現でもなんでもなくアニメの中で並ぶものが無いほどの凄まじさであり、サーヴァントが如何に規格外の戦闘力を持ち、常人では太刀打ちできないものなのかを強く感じることができる。特にバーサーカーの迫力は物凄く、圧倒的身体能力から繰り出す攻撃の規模と破壊力、宝具の十二の試練の恐ろしさが想像以上に表現されており、Fateファンならば必ず満足出来るできになっています。

Aimerが歌う主題歌「I beg you」の素晴らしさ

 主題歌である「I beg you」は1章の「花の唄」同様に桜の心境を強く表しており、歪んでいく桜を強く感じることが出来る。エンドロールの最中に聞くことが出来るのだが、映画への没入感をより強烈にしてくれる見事な曲でした。是非、映画館へ言った際は途中退場せず全部聞いてください。